私が日本初の「国産化」と「六次産業化」を目指してヘーゼルナッツの試験栽培を始めたのは2013年のことです。
一度も農業経験が無い私がなぜヘーゼルナッツの栽培に取り組むことになったのかは前職時代に訪れたイタリア・ビエモンテ州の風景にあります。
イタリアの山あいの雪の中ですくすくと育つヘーゼルナッツを見て「気候や風土が似ている長野でもヘーゼルナッツを栽培出来るかもしれない」と考えました。
そこで世界一美味しいといわれるビエモンテ州の「トンダ・ジェンティーレ・デッレ・ランゲ」の苗木を輸入。ただ栽培するだけでなく、お菓子などの加工品として付加価値を付けて販売出来る「六次産業化」を推進しました。
最初に植えた100本の苗木は3年ほどしてだんだん実を結び、年を追うごとに収穫量は倍増。ヘーゼルナッツは一次加工でペーストや粉末に、二次加工でチョコレートなどに製造されます。
現在、ヘーゼルナッツの苗木を育てている方は長野県全体で190名近く。
収穫できた実は全て弊社で買い取っております。
日本に輸入されるヘーゼルナッツの95%がトルコ産、5%がイタリア産等で日本産のヘーゼルナッツはようやく生産が始まったばかりです。しかし需要の拡大から年々価格が高騰しております。
無農薬、無消毒、無肥料、無潅水栽培で下草を刈るだけで育つヘーゼルナッツは、農家の高齢化や後継者不足で近年問題になっている農地の荒廃化、遊休農地の拡大を抑制できる可能性があり、省力農業で農地維持を実現できます。
そんな魅力のある次世代農産物が、ヘーゼルナッツなのです。